株を始めたての人や初心者の方が株式投資で資産運用をする上でのメリット・デメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
私が実際投資を始めてみて感じたメリット・デメリットや変わったことなどを実体験をもとに解説します。
- 株式投資で資産運用することでどんなメリット・デメリットがあるか?
- 【投資編】株式投資で資産運用する13のメリット
- 長期的に見れば資産が増えていく「プラスサムゲーム」に参加できる
- 売却益(キャピタルゲイン)と配当(インカムゲイン)が得られる
- 流動性が高く現金化が容易
- 国内株では株主優待をもらえる
- 投資した資産が働くので自分の労働力を必要としない
- 初心者でも経験者でも平等に株を購入できる
- 保有株の決算を通じて財務諸表等を読み解く力がつく
- 投資信託やETFに投資して指標に投資することでリスクを低減できる
- 小額からでも投資が可能になってきている
- 分離課税になっているのでどれだけ儲けても税率が変わらない
- NISA・iDeCoなどの非課税で投資ができる仕組みがある
- 特定口座を使用することで税務申告が必要なくなる
- 自分ひとりで利益を生み出すことができる
- 【投資編】株式投資で資産運用する8のデメリット
- 【生活編】株式投資で資産運用する6のメリット
- 【生活編】株式投資で資産運用する4のデメリット
- まとめとおまけ 投資に向かない人の特徴とは
株式投資で資産運用することでどんなメリット・デメリットがあるか?
メリット・デメリットは「投資編」と「生活編」で分けています。なぜなら、株式投資で資産運用をすることによって生活面でも変化を感じることが多くあるからです。
初心者の方すべてが同じように感じるかは分かりませんが、参考になればと思います。私は投資歴もそれほど長くありませんので、初心者の方の気持ちとそれほどズレはないのかな、と考えています。また、投資方法によってもメリット・デメリットは変わってくるので私の投資方法・属性なども記載しておきます。
職業:サラリーマン
家族構成:妻・子供2人の4人家族
投資歴:3年目
投資方針:長期保有を前提とした長期投資
投資方法:毎月定額を定期買い付け
投資先:米国個別株・米国ETF・投資信託
自分の投資方法に対して感じたメリット・デメリットになるので、主に長期投資を目指している場合に得られるものとなります。
【投資編】株式投資で資産運用する13のメリット
長期的に見れば資産が増えていく「プラスサムゲーム」に参加できる
株式投資で資産運用することの中でもっとも大きなメリットになると思います。株式市場は企業の成長に伴って利益を上げることにより、株価が上がる・配当金を受けとるなど、保有していれば参加者全員が利益を得ることのできる「プラスサムゲーム」です。
もちろん、個別の企業に投資していれば倒産して株が紙クズになってしまうリスクもありますが、適度に分散して投資していれば致命的な損失を出す可能性は少なくなります。
上記はダウ平均株価のチャートです。基本的には右肩上がりが期待できるものに投資しなければなりません。私は日本の株式市場よりも米国市場の方に魅力を感じました。
個別銘柄・投資信託・ETFなど様々な商品があるため、中には手数料が高いもの、リターンの割にリスクが高いものもありますが、適切な銘柄・商品を選びさえすれば長期的にみれば資産が増加していくことが期待できます。
ちなみに株式投資でもデイトレードを始めとした短期取引の場合は、売り手が儲かれば反対の買い手はその分損をしてしまう「ゼロサムゲーム」と言えます。
取引手数料を証券会社に支払うことを考えると「マイナスサムゲーム」とも言えます。
売却益(キャピタルゲイン)と配当(インカムゲイン)が得られる
株式投資で得られる利益は銘柄を売却した時に得られるキャピタルゲインと企業が生み出した利益から支払われる配当金のインカムゲインがあります。
投資銘柄によっては配当のない無配銘柄もありますが、多くの企業は年に数回の配当金を株主に支払っています。
なお、配当金は受け取る時に税金が引かれるため、投資方法によってはその都度税金が引かれる有配銘柄より無配銘柄の方が将来的に多くのキャピタルゲインが得られるという考え方もあります。
これは人によって様々ですが、私は配当金を受け取ることによって投資のモチベーションが保てると考えているので配当金のある銘柄に投資しています。
【投資初心者は継続優先がおすすめ】資産運用はリターンを上げるよりも続けられるかどうかが大事 でも書いていますがパフォーマンスも大事ですが、長く投資を続けられることを優先しています。
流動性が高く現金化が容易
株式市場は流動性が高いので、いざ現金が必要となった時に現金化することができることもメリットです。
資産運用は他にも代表的なもので不動産投資がありますが、これらの投資は流動性の面で言えば株式投資と比べてよくありません。
株式投資の場合、価格によって損失が発生することもありますが市場が開いている時に売り注文を出せば早々に現金化が可能です。
不動産投資の場合、売却したいと思っても買い手を探さなければなりませんし、契約書を交わしたり不動産登記の書き換えなど、どうしても時間がかかってしまいます。
また、株式投資は現金化したい株数を指定して現金化できることもメリットです。
国内株では株主優待をもらえる
日本の企業に投資すると上記のキャピタルゲイン・インカムゲイン以外に「株主優待」をもらえるメリットがあります。
お米や商品券・クオカード・カタログギフトなど企業によって様々な株主優待が設定されています。
配当金を受け取る際の利回りを「配当利回り」と言いますが、日本の企業の中では株主優待の価値を現金で計算したときの利回りと配当利回りを合わせると非常に高い利回りになるような企業もあります。
桐谷さんが有名ですよね。多くの日本の企業の株を保有すると頻繁に株主優待品が送られてくるので、個人投資家としてはありがたいのではないでしょうか。
投資した資産が働くので自分の労働力を必要としない
これも大きなメリットです。私はサラリーマンなので勤務先に労働力を提供し、その対価として給料をもらっています。当然、労働力を提供できなくなればその価値はなくなり給料は貰えなくなってしまいます。
株式投資では資産運用の名の通り、投資した資産に働いてもらうことになります。厳密に言うと投資先の企業が働いてくれます。
もし、自分が病気になって働くことができなくなって給料がもらえなくなったとしても株を保有していればその資産は働き続けてくれます。
収入を増やそうと思えば「普通」は労働力を提供しなければ増やせない、と思いがちです。
しかし、資産運用の場合は労働力を必要とせず収入を増やすことが可能です。自分が動かなくてよい、ってスゴイことだと思いませんか?
もちろん、銘柄分析やリスク管理など頭は動かさないといけませんよ
初心者でも経験者でも平等に株を購入できる
株式市場は誰にも平等です。経験が長い人でも浅い人でも資金さえあれば同じように投資することができます。
何に投資するか?いつ株を手放すのか?などは経験によって差がつくところですが、経験者だから優遇して安く株を買えるなどということはありません。
初心者がだまされて相場より高く買わされるということもありません。株式市場は誰にでも開かれており、平等な条件で株を購入することができます。
保有株の決算を通じて財務諸表等を読み解く力がつく
個別銘柄に投資していると四半期ごとに決算報告があります。ここで売上・利益・保有資産の変化などを決算書を通じて確認することができます。
前年と比較してどうだったのか?売上はどの製品が伸びているのか?など自分で投資している銘柄についてはイヤでも確認するようになります。危なかったら売却するなどの判断をしなければなりませんからね。
こういった決算資料を読めるようになると、自分の仕事にも活かせるようになるかもしれません。自分の勤め先の決算書なども見てみるのも面白いですよね。
決算書が読めるようになると新たな投資先なども見つけやすくなるでしょう。
個人差があるようで私はあまり読めるようになっていません
投資信託やETFに投資して指標に投資することでリスクを低減できる
株式投資ではトヨタやJTなどの個別銘柄以外に様々な資産が組み合わされた投資信託・ETF(上場投資信託)があります。
個別株式とは違い、保有に際して信託手数料がかかってきます。以前は高額な信託手数料の発生する投資信託が多く問題になったこともありましたが、近年では手数料が低額な商品も多くなってきています。
ノーロードと呼ばれる購入時に販売手数料のかからない投資信託も増え、現実的に選べる選択肢が多くなってきています。
投資信託の内容にもよりますが、様々な資産で分散されていたり株式のみのものでも銘柄分散がなされているのでリスクを低減することができます。
中でもETFは個別株式と同じように市場の中で購入することができます。
小額からでも投資が可能になってきている
日本の株式投資は基本的に100株単位での取引が基本とされています。個別銘柄に投資しようとしても1株3,000円の銘柄であれば100株で30万円の資金が必要です。
しかし1株から投資できるような証券会社も出てきています。
1株でも投資できTポイントでも投資できる「SBIネオモバイル証券」
ETFにも投資できラインポイントでも投資できる「LINE証券」
カブドットコム証券の「プチ株」、マネックス証券の「ワン株」などがあります。
1株投資は「単元未満」の投資となるため、議決権がなく株主総会に出席できなかったり、株主優待がもらえないというデメリットはあるものの、初期に大きな資金がいらないことはメリットですね。
シミュレーションで練習するよりも少ないながらも身銭を切ることになるので、練習やお試しには適しているのではないでしょうか?
分離課税になっているのでどれだけ儲けても税率が変わらない
株式投資で得られた利益は給与所得や自営での事業所得・年金等の雑所得などと別で「申告分離課税」となっています。
給与所得や事業所得・雑所得は所得(利益)に応じて所得税率が増加していく「累進課税制度」となっています。ちなみに住民税は市町村を問わず基本的には一律10%です。
対して株式投資で得られた利益に課される税率は所得税15%、住民税5%となっています。(復興特別所得税除く)
株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)|国税庁
保有資産額が増えていくと売却益(キャピタルゲイン)と配当金(インカムゲイン)を合わせた利益が大きくなってきます。初期の少ない資金では税率の面で不利になりますが投資を継続し、資産が増加していくと大きなメリットとなります。
また、利益が少なく税率の面で不利になっている場合は、配当金については給与所得や事業所得と同じ総合課税での確定申告を選択することもできるので有利な申告方法を選ぶことが可能です。
NISA・iDeCoなどの非課税で投資ができる仕組みがある
上段のとおり優遇された税率がある上に、売却益・配当金に対する税金が非課税になるNISA・つみたてNISAといった制度があります。
損失が出た場合に利益と相殺が出来なくなるというデメリットはあるものの、利益に対して税金がかからないということは資産の増加ペースが速くなります。
また、60歳まで解約ができない・凍結されている法人特別税といったデメリットはありますが、所得控除ができ、運用益が非課税・受取時には退職金控除を使うことのできるiDeCoという制度もあります。
つみたてNISA・イデコに関しては投資対象は投資信託のみとなっており、期間も長く長期投資向きの制度です。NISAに関しては使い方によっては短期投資でも使い道がある制度です。IPO投資なんかに使ってもいいかもしれません。
必ず使わなければいけないものではありませんからね。自分が有利に使えると思ったタイミングで制度を活用できます。
参考記事:NISAで損をしない投資方法とは
特定口座を使用することで税務申告が必要なくなる
通常、所得が発生すると確定申告が必要になります。株式投資の場合、一般口座で株の取り引きをすると自分で申告しなければなりません。同じ銘柄をナンピンしたり何度も売買を繰り返していると自分で計算するのは難しくなります。
しかし、特定口座を使うことで証券会社が税金の計算をしてくれるので申告の手間を省くことが出来ます。
例えば、不動産投資で資産運用している場合は「不動産所得」規模によっては「事業所得」となり確定申告が必要になります。
家賃収入から減価償却や借入金の利息などを計算し集計して1年の利益を自分で計算しなければなりません。税理士に頼めばやってもらえますが費用がかかります。
また、確定申告が終わってからも領収証などの資料は7年分も残しておかなければなりません。
記帳や帳簿等保存・青色申告|国税庁
こういった手間がかからないのは実際やっていてありがたく思います。
自分ひとりで利益を生み出すことができる
人と関わらずに済むということです。株式投資はネット証券会社を使えばパソコン・スマホで売買ができるため、一人ですべて行うことができます。
窓口で買うわけではないので無駄な営業を受けることもありません。誰かに口出しされたり邪魔されたりということがないので全て自分の判断で決定できます。
反対に言うと結果はすべて自己責任ということですが、誰かに指示されたのではなく自分が決めたことなのでパフォーマンスが悪くても納得感があります。
不動産投資の場合などは一人ですべて決めることはできませんよね。入居者がいて、借入している銀行がいて、管理を任せている管理会社がいて、修理が必要なら業者との打ち合わせも必要です。
そういったコミュニケーションが好きな方は苦にならないのかもしれませんが、私はそういったことは本業でもう十分だし、それ以外では自分ひとりで決めたいと考えています。
【投資編】株式投資で資産運用する8のデメリット
投資経験が短いと大暴落の経験がないのでリスク許容度が分からない
投資歴が浅い人や今から株式投資で資産運用を始める人にとっては大きなデメリットというかリスクです。
株価の下落に自分がどこまで耐えられるのか?現金比率はどの程度キープしておけばいいのか?など「自分のリスク許容度」は経験しないと分からない部分があります。
特に私の様な積立投資を行っている場合、自分のリスク許容度がハッキリ分からないまま資産額が増加していくことになります。
私の場合は、【株価暴落への備え】定期的に積立中の投資家が現金比率・現金割合について考えてみる の中でも書いていますが、割合ではなく暴落時に1年は積立を継続できるだけの現金を残すようにしています。
ただこればっかりは経験してみないと何が正解か分かりません。
日々の値動きに気持ちをゆさぶられる
平日は常に相場は動いているため、株価の値動きがどうしても気になってしまいます。特に仕事中にいつでもスマホを見れるような職業の方はキツイかもしれませんね。
デイトレードを始めとした短期投資ならともかく、長期投資の場合だと日々の値動きに翻弄されることは精神的にも辛くデメリットでしかありません。
私が株式投資を始めてから1日数%、1週間で10%以上下落するような時期もありましたが保有を継続した結果、当時よりも資産は増加しています。
個別銘柄などで個別の事案などで下落するケースもありますが、毎回気にしているようだと気持ちが持ちません。ある程度割り切って保有する精神力が必要です。
私はETFメインなので余計そう思います
他人とのパフォーマンスが気になり投資方針がブレやすい
株式投資で資産運用していると情報はどこから得るのでしょうか?私の場合は投資ブログやTwitterなどのSNSから取得することが多いです。身近な人ではいないですからね、投資をしている人なんて。
そうすると、どうしてもその人たちのパフォーマンスを目にする機会が多くなります。その中で自分とは違う投資方法で高いパフォーマンスを挙げている人を見ると「このままの投資方法でいいのだろうか?」と自問自答してしまいます。
そういった投資方法を見て自分で納得した上で投資方法を変えることは悪いことではないと思います。
しかし、時期によってパフォーマンスの良い投資方法は変わってくるので、その都度投資方法を変えると返ってパフォーマンスを悪化させる要因にもなり得ます。
たいてい相場の末期になりがちですからね。他人の投資方法をうらやましいと思ってしまう時期は。
その内に慣れてきますが、色んな情報を見ていると投資方法がブレやすくなるデメリットがあります。
銘柄分析などにこだわりだすと時間がとられるし、誰が正しいのか分からない
個別株式に投資する場合、その銘柄に投資する価値があるのかどうかを判断する必要があります。どこまで調べるのかという問題もありますし、どのデータを信用するのかという問題もあります。
基本的にデータなどの情報は大元の一次情報を調べるべきですが、自分の分析能力に自信がない場合、誰かが分析した記事を参考することになります。
しかし、自分で分析できないのに他人の分析した記事が正しいかどうか判断できるはずがありません。一つの事柄でもネガティブなものもあればポジティブに書かれた記事もありますし、どちらも正しい部分があったりするため判断が難しいです。
さらに、銘柄分析に時間をかければかけるほどパフォーマンスが上がるか、というと一概にそういうワケでもありません。時間をかけて分析し資産運用した結果、市場平均を下回るパフォーマンスになることもあります。
個人的には好きなら時間をかければいいし、そうでないならETFや投資信託などあらかじめ分散された商品で資産運用して時間をかけすぎない方がいいのではと考えています。
小額の投資では利益が少なく複利の効果が見えにくい
株式投資の醍醐味は時間をかけることで複利の効果の恩恵にあやかることができることです。
投資金額の大小にかかわらず複利の効果は得られますが、少額での資産運用の場合は損益率は同じでも損益額は投資金額によって大きく変わります。
青色が5,000円/月、黄色が10,000円/月、ピンクが20,000円/月の計算で20年間年利5%で投資を続けた結果です。
当然ですが元金が大きければ大きいほど20年後に増加する資産額も大きくなります。グラフ右側の運用収益を見ても分かりますが、少額の投資では収益額も少なくなり複利の効果が感じにくくなるデメリットがあります。
短期的には大きく増えず、パフォーマンスより入金力の方が重要
長期投資の場合、投資する銘柄にもよりますが数か月や1年で何倍にも資産が増える可能性は少ないです。積み立て投資を選択している場合、資産が少ない最初は含み益の増加よりも毎月の積立金額の方が資産の増加に寄与します。
前段でも書いた通り、資産が少ないうちは含み益が数%増えたところで利益額はほとんど増えません。いかに有望な銘柄に投資するかよりもいかに定期的に入金できる環境を整えるかの方が大事です。
短期的に増やそうとすると「信用取引」を使ったり、ボラリティの大きな銘柄で勝負したりと方法はあるもののその分リスクは大きくなります。
なかなか増えない資産を見ているとそういった取引に興味が惹かれますが、元々なんのために自分が投資を始めたのか振り返ることが大切です。
関連記事:あなたの投資をする理由・目的は?リタイアのため?老後のため?
投資方法を広げすぎると収拾がつかなくなる
株式投資には様々な投資方法があります。長期投資と短期投資、バリュー株・グロース株、高配当株やボロ株への投資、ETFや投資信託など選択肢は豊富です。
これらの投資方法を同時に行うと管理が行き届かなくなる恐れがあります。
私自身の経験ですが、グロース株と高配当株とETFへの投資を同時に行っていました。高配当株とETFは長期保有を前提にグロース株は短期~中期保有のつもりで投資していました。
グロース株は決算等で問題があれば手放すつもりでしたが、高配当株・ETFの長期保有に流されてしまい問題があっても手放すことができませんでした。
気づかない内に混同してしまっていたのかもしれません。結局、グロース株の内1銘柄はズルズルと保有し続け△50%で売却しました。
投資を始めたての時は色んな投資方法を経験したくなりますが、ある程度絞った方がよいのではないでしょうか。
あくまでも利益確定しないと手元に残らない
「含み益は幻」というヤツですね。現時点でどれだけ含み益があっても売却して現金化しない限りは手元にお金は残りません。
売却する前に株価が暴落したら文字通り利益は幻となってしまいます。また、利益を確定すると合わせて税金も引かれることとなり確定利益は減少します。
どれだけ含み益があったとしても確定しない限りは使えないという部分はデメリットと言えるのかもしれません。
含み益が多ければ多いほど取られる税金も多くなるのでジレンマに陥ることもあるのかもしれませんね。
配当銘柄であれば配当金がその都度、税金が引かれて入金されます。こちらは半強制的に利益確定されて受け取ることになります。
【生活編】株式投資で資産運用する6のメリット
本業収入以外の「副収入」を実現できる
株式投資で資産運用することは心理的なハードルは高いのかもしれませんが、1度始めてしまうと簡単に本業以外の副収入を作ることができます。
配当金のある銘柄に投資することで定期的に副収入のある状態を生み出すことができます。サラリーマンであれば給料以外の収入があるということは心理的に安心できる要素です。
これは別に株式投資でなくとも可能ですが、ダブルワークであったりせどりなどの転売・不動産投資と比べると比較的容易に達成できます。
【投資編】のメリットでも書きましたが副収入が「労働力なしで実現できる」というところが大きいです。つまり、株式投資をした上でさらに労働力を使うような副収入を狙うこともできるということです。
投資を通じてお金の知識が増えるのでリテラシーが向上する
株式投資の平均リターンは5%~7%と言われています。この知識がつくだけでもほかの投資商品で「年利20%!元本保証!」のようなモノがあったら、すぐにおかしいと気付くことができます。
例えばソーシャルレンディングに関してもなぜ銀行から借りずに個人から集金するのかな?しかも高い利息を払って…ちゃんとした事業なら安い金利で銀行から融資を受ければいいのにどういうことなんだろう…?
とか考えるようになりました。ソーシャルレンディングを否定しているワケではありませんが、投資する前に仕組みを考えるようになります。
投資資金を捻出するために自然と節約・節制が身につく
少ない資金から資産運用を進める上では、積立資金を確保することが重要です。そのため必然的に節約・節制をして余剰資金を生み出すようになります。
私の場合、コンビニのコーヒーを辞めて水筒を使うようになったり、暇つぶしに買っていた週刊誌なども買わなくなりました。
この意識が身につくと投資以外の今後の生活にも大きく影響します。必要以上にお金を使わない、ということは少ないお金で生活できることに繋がります。
生活レベルを無駄に上げなくなる、ということかもしれません。給料が上がっていったとしても合わせて生活レベルを上げてくと何も残りませんからね。このことに早めに気付くことができればお金の面では生きやすくなります。
ポイント投資などをすることでポイントに関する知見が深まる
楽天ポイント➜楽天証券や、Tポイント➜SBI証券などのポイントで投資をすることでポイントシステムについて調べるようになります。
ポイント投資については「ある意味0円投資」ですからね。マイナスになったとしても元手はポイントと考えると気楽に投資できます。
ちなみに私は「楽天経済圏」に入って毎月楽天ポイントで投資信託を買い資産運用しています。ポイント投資を始めるとどうすればポイントを貯められるのか?自然と調べるようになります。
本を読むようになる
株式投資の本や経済に関する書籍などに興味が湧くようになります。まぁ、難しい本を読んでもなかなか理解ができないので頭の中には入ってきませんが…
例えば、トヨタに投資していたらトヨタに関する書籍に自然と興味が湧いたりします。投資をする前と比べて明らかに本を読むようになりました。
前はマンガしか読んでいませんでした
投資の税制などを調べることによって節税につながる
NISAやiDeCoのことを調べていると所得控除って何だろう?から始まり、生命保険控除や医療費控除のことも調べるようになったり、扶養控除をとるための要件は何なのか?やふるさと納税の仕組みなど株以外の税制も調べるようになります。
節税が捗れば、浮いた資金を投資に使うこともできるので資産運用のスピードを速めることが可能です。
【生活編】株式投資で資産運用する4のデメリット
他人からはギャンブルをしているように見られがち
株式投資をしていない人から見るとどうしてもギャンブルをしているように見られることがあります。
友人に投資を勧めたい気持ちに駆られることもありますが、勧めてもあまりいい顔をされないので周りには投資をしていることを言わないようになりました。
節約し投資資金を増やすことで頭が一杯になりケチ臭くなる
いや…バランスよくやれよってハナシなんですけど。どうしても早く資産を増やしたい衝動に駆られます。つまりケチ臭くなります(笑)
でも、資産の少ない投資初期はいかに追加投資をするかの方が大事ですからね。高給取りでもない一般的なサラリーマンの場合、バランスを無視して特化した方がいい時期もあるはずです。
ケチ臭いというより「無駄なモノは買いたくない」だけなのですが、周りから見るとそうではないようです。
現在よりも先の未来のことばかり考えるようになる
長期投資の場合、資産が増加するのにどうしても時間がかかります。何十年も先のハナシにもなってしまうため、遠い未来のことばかり考えるようになります。
そのようになってしまうと「遠い未来のために現在はある程度耐えるのはしょうがない」と思ってしまいがちです。「今」を犠牲にしがちというか…
投資を続ける上では大事なことかもしれませんが、行き過ぎると人生においてはデメリットとなるのかもしれません。
ちょっと利益が増えただけでセミリタイアの欲求が高まる(笑)
ちょっと好調な相場が続くとうっかりセミリタイアへの欲求が高まります。実際セミリタイアしようと思うと相当な資産が必要になりますからね。
セミリタイアの欲求が高まる➜現実を見てその長さに途方に暮れるをループしたりします。
まぁでも夢ぐらいは見たいです
まとめとおまけ 投資に向かない人の特徴とは
以上が株式投資での資産運用におけるメリット・デメリットです。株式投資で資産運用すること自体に大きなメリットがありますが、私はそれ以上に資産運用を通じて生活する上での考え方も変わる、ということによりメリットを感じます。
投資を始めとした「お金の知識」を増やすことは、生きていく上での取り返しのつかない失敗を避けられる可能性を高めることができます。
最後に「投資なんか、おやめなさい」著者 荻原博子氏の言う「投資に向かない人」の10タイプを載せておきます。
よく分からないのでみんなが投資しているものに投資する
細かい文字は苦手なので専門家に商品説明してもらいたい
ネットは苦手。電話で頼めるものがいい
損得を電卓で計算するのは苦手
恋愛で引きずるタイプ。割り切ることが苦手
絶対に損したくない。自分が損するとは思えない
これから子供に養育費がかかるのでお金を増やしておきたい
毎日忙しいので手間のかからない投資をしたい
人から素直な性格と言われ、世の中を斜に見るのは苦手
勝負事に熱くなりやすい。宝くじをするくらいなら競馬をする
なぜ投資に向かないのかは内容を読んでいただければと思いますが、上記に多く当てはまる人は投資に向いていないそうです。
著者は「日本はデフレが続いているので投資をせず現金で残しておくべき」という内容で投資を批判しています。私はデフレであっても余剰資金があるのならば資産運用はするべきだと考えています。
デフレの状況下でも成長する企業はありますし、最初のメリットでも書いたように株式投資は「プラスサムゲーム」です。インフレでもデフレの時期でも長期的に継続すれば投資先を間違わなければ資産は増えるはずです。
成長する経済の恩恵にあやかるためにそういった企業の株へ投資するのです。それがイチ個人が資本主義社会で生きていく一つの手段だと考えています。
何より、現金を貯めているだけでは将来的に不足する、もしくは不安だから資産運用をするのです。この記事を読んでいるあなたもそうなのではありませんか?
投資家から見るとあまり好まれない本ではありますが、最低限の知識がない人は投資をすべきではない、と言っているように感じます。
正式な本のタイトルは「最低限の投資知識がない人は、投資なんか、おやめなさい」になるのではないかと私は思います。
これから投資で資産運用を始めようと考えている人は1度読んでみてもいいのかもしれませんね。
この本を読んでもし「投資は怖い・投資はすべきでない」と感じてしまうのであれば、あなたはまだ投資に対する知識が不足しているのかもしれません。きっと今は投資をすべき段階ではないのだと思います。
【格差社会・日本】結婚してから10年で貯金額にこうも差がつくものかと思った話