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【フラット35】だから不動産投資はイヤなんだ。初心者には厳しすぎる

不動産投資には初心者が知らないような際どい手法がたくさんあります。法人を複数設立し銀行から同時に融資を受けるような手法や、今回のフラット35を使って借り入れる方法。

不動産に限らず投資にはリスクや失敗がつきものですが、改めて不動産投資は初心者には厳しい投資だと思いました。

なんちゃってローンと言われる手口

先日、住宅ローンの制度である「フラット35」を使い不動産投資を行うという不正が起こっていることが確認され、そのローンを提供している住宅金融支援機構が調査を始めることが発表されました。

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手口としては、中古住宅やマンション・アパート等の不動産物件を購入する際に自宅として購入する目的にして「フラット35」で申込み、融資が通り物件を購入できたらその物件を投資用物件として賃貸に出すというものです。

フラット35を悪用した仕組み

メリットはなんなのか?

この方法で借り入れをするとどんなメリットがあるのかというと、金利が1%程度という低金利で借りることができるようになります。「フラット35」はマイホームを購入するために使う制度のため、金利が非常に優遇されています。普通に不動産投資物件を購入するために借入を行う場合、事業のためのローンとなるため1%程度の金利で借り入れするのは困難です。

返済期間を長期にできるというメリットもあります。不動産物件を購入するために借入をする場合本人の属性にもよりますが、木造や軽量鉄骨など購入する物件の耐用年数に応じた返済年数となります。耐用年数は木造の場合22年、軽量鉄骨の場合17年または27年です。中古の場合は築年数が引かれた年数で計算されます。「フラット35」で融資を受けることができれば、これらの物件でも返済期間は35年となります。

株式投資の世界でも利回りが1%~2%変わるだけで長期的な運用益は大幅に変わってきます。借入額にもよりますが、同じく借入金利が1%~2%変わるだけで月々の返済額や総支払額は大きく減少します。それに併せて返済期間が長期になれば、月々の返済額がより減少し、手元に残るキャッシュが多く残るようになります。

手元に残るキャッシュが多くなれば、次に購入する投資物件をより早く購入することが出来たり、返済を早めリスクを軽減したりすることができ、資産運用の幅が増えることとなります。これが通用するのであれば、とてもメリットの大きな方法です。

ほか、人によっては「住宅ローン控除」の適用を受け、税金を還付している人もいるかもしれません。表面上はマイホームを購入するための借入ですから、住民票が移っていれば書類上は確定申告で手続きさえすれば受けれますよね。完全に脱税行為になると思いますが・・・。

住宅金融支援機構の調査によって摘発された人が「住宅ローン控除」を使っていたら税務署から修正申告を求められてしまうかもしれません。

もし、自分がこの方法を提案されたとき断れていたか

私は株式投資を始める前、不動産投資を検討していた時期があります。結局、不動産投資は自分に向いていないと思ったので、その時は諦めました。
参考記事:不動産投資に魅力を感じつつも踏み切れない理由

検討していた時期は4年~5年以上前だったと思いますが、この「なんちゃってローン」はすでに存在していました。金利を低くする裏技的な記事で紹介されていました。確か物件を購入した最初は住民票をきちんと移し、その部屋に短期間でもいいから実際居住し、その後賃貸に出すというような説明だったと思います。

正直なところ、当時もし不動産投資を始めるならこの「なんちゃってローン」で融資を受けたい、と考えていました。不動産業者と具体的な打ち合わせなどはしていなかったものの、ネットで記事を見たときには「グレー」もしくは「ギリギリセーフ」な方法なのかなと思っていました。実際は契約違反の不正であり、完全にアウトなわけですけど。

不動産投資・株式投資もそうですが、利回りを上げることは資産運用として重要なポイントです。多少グレーな方法でも、その利回りを上げる方法があるのならば利用したいと思ってしまう部分があったりします。

もし、不動産投資を始めたときに業者からその話を囁かれたとしたら、私は断れていたのだろうかと思うと、正直微妙な気がします。株式投資も知識が必要な資産運用方法だと思いますが、それ以上に不動産投資は知識が必要な投資だと思います。

物件の知識、融資の知識、設備の知識、入居者の属性、物件の地域に関する知識など多岐に渡ります。特に初めての物件の場合、どうしても不動産業者に頼ってしまう部分があります。そんな時に「いい方法がありますよ。まずバレません。」などと言われてしまったらコロッといってしまう気がします。

業者も購入者も使ってしまいたくなる構造

「フラット35」はマイホームの購入を目的とした融資制度のため、事業ローンと違い物件の利回りなどの事業性を問われません。通常の不動産ローンと審査する部分が違うため、場合によっては融資が受けやすい制度です。そして不動産物件を購入する時は融資が必要なケースが多いため、融資が通れば購入するという購入方法は一般的です。(融資特約など)

不動産業者側としては通りやすい融資制度を使って確実に物件を購入させたい、購入者側としては金利が低く、長期返済となる融資を受けたい、というお互いの利害が一致する制度となってしまいます。業者も購入者も得するのでWIN-WINという訳ですね。契約違反という不正がなければ。

住宅金融支援機構は調査の結果、不正が確認されれば融資の全額返済を求める方針です。制度の穴をついて低金利な融資を受けれたと思っていたら、契約違反で大きなペナルティを受けることになってしまったということです。もちろん、不正な方法で融資を受けたのは本人なので自己責任に違いありません。

自己責任に違いはありませんが、かなり前から存在していた手法が今になって問題となるってちょっとやりきれないというか・・・、そりゃ、不正は不正なので当たり前ですけど。こんな方法、自分で編み出すはずもないので、そういう業者にたまたま当たってうっかり使ってしまうかもしれないと考えると、不動産投資のように人が絡む投資は私には向いていないと思います。