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【ポイ活のワナ?】獲得した楽天ポイントなどに対して税金はかかってくるのか

楽天カードやイオンカードなどのクレジットカードや、ペイペイ・ラインペイなどの電子決済アプリを使って支払いをするとそれぞれに対応したポイントを得ることができます。

ポイントの還元率はそれぞれ違いますが、獲得したポイントは提携店舗などでお金の代わりに使用することができます。私も楽天カードをメインで使っており、日々楽天ポイントを貯めています。
参考記事:【楽天ポイント生活】楽天ポイントで無料で投資信託を買い始めた結果

そこでふと気になったことが「ポイントって利益になるんじゃないの?」ということです。もし、利益となれば場合によっては確定申告等をして税金を支払う必要があるのかもしれません。

ポイントに関する課税の話はあまり聞いたことがありませんが、どのようになっているのでしょうか。

ポイントを獲得している様子

ポイントは利益になるのか

結論から言うと、現時点では大丈夫そう・・・です。

ポイントについての課税関係は、現時点では税法上は記載されていません。しかし調べてみると平成26年6月に税務大学校において「企業が提供するポイントプログラムの加入者(個人)に係る所得税の課税関係について」と題した論文が発表されています。

税務大学校とは国税庁の研修機関であり、国家公務員として採用された税務職員に対して必要な研修を行う機関です。職員に対する研修以外にも税務に関する学術的な研究等を行っています。
参考:概要|税務大学校|国税庁

税法が整備されていないので、現時点でのポイントに関する課税関係はこの論文をもとに考えることになると思われます。

論文の内容は

「企業が提供するポイントプログラムの加入者(個人)に係る所得税の課税関係について」ではポイントプログラムの概要から始まり、ポイントの定義や所得該当性などについて論じられています。

www.nta.go.jp

以下、引用部分はすべて上記論文からとなります。

ポイントの法的性質と経済的性質 

論文によるとポイントの法的性質は

契約当事者である事業者と消費者がポイントに関して共通して有している意思は、ポイント付与の元になった取引きとは別の何らかの給付を請求できる権利が付与されたものである、ということはできると思われる。つまり、ポイントプログラムの法的性質は、まず、対価を支払うことなく給付を受けることができるということから、贈与契約であるといえるであろう。

となっており、贈与にあたるとされています。しかし、ポイントを使用する時期などは消費者が選択する権利を保有する「停止条件付き贈与契約による債権」であるとされます。 利益ですよ、ということです。

経済的性質の観点から見ると、ポイントは商品代金を値引きした上で対価を支払い、ポイントを得たとみなすこともできる、と書いてあります。つまり値引きされた分のポイントを購入したという考え方です。この場合は購入となるため、課税にあたりません。

法律的な観点と経済的な観点から見ると、まったく反対の解釈がとられてしまうということです。

ではどちらが優先されるのか

法的性質が優先されると考えられています。

贈与契約が真実に存在する法律関係であり、そこからはなれて、経済的実質に着目して、「商品代金の値引きの上、対価を得てポイントを発行したものである」と捉えて法律要件の存否を判断するのは適当ではないといえる。つまり、ポイントは課税されるべき経済的利益となると考えられる。 

ポイントは課税の対象になると考えられています。そして所得の発生する時期はポイントを獲得した時期ではなく、ポイントを使用した時期となります。

つまりポイントを獲得しただけでは所得とならず、あくまでもポイントを使用して対価を得たタイミングに利益を得た、という様にみなされるということです。

どの所得に分類されるのか

所得がどれに分類されるか

 ポイントの獲得方法などによって3種類に分かれます。

①一時所得

一般の方が物品等の購入に際し、獲得するポイントについては事業者からポイントを贈与されたとみなされ一時所得になります。一般の人がクレジットカードや電子決済アプリなどで獲得したポイントはここになります。

②事業所得

事業者が事業のために物品等を購入し、獲得したポイントは事業所得になります。会社の備品を購入しポイントを得た場合などがこれにあたります。

③雑所得

アンケートの回答に対して獲得するポイントやアフィリエイト収入などが含まれます。物品を購入するわけではなく、作業などの役務を提供しているため贈与ではなく対価性があるとされます。

税金はかかってくるのか 

3種類の所得のうち、「事業所得」「雑所得」については申告の必要があると思います。

しかし、大多数の人が該当するであろう一時所得については税法上50万円の特別控除があるため、よっぽどポイントを獲得しない限りは税金が発生せず、税金が発生しないため申告の必要がありません。

一時所得の計算方法
一時所得=総収入ー収入を得るためにした支出-特別控除(50万円)
参考:No.1490 一時所得|国税庁

以下に論文の要約の結論部分を引用します。

ポイントの法律関係は、少なくともポイント付与の元になった取引きとは別の何らかの給付を、対価を支払うことなく請求できる権利が付与されたものであると捉えることが適当であり、課税されるべき経済的利益にあたる。
ポイントプログラムの法律関係は贈与契約といえるが、贈与の目的物はポイント保有者の意思表示(請求等)によって初めて確定するという停止条件付贈与契約であり、さらに、請求等によって停止条件が成就するまでは、ポイント付与者に解除権等が与えられているという契約関係といえる。
停止条件付贈与契約であるので、停止条件の成就、すなわち、ポイントが実際に使用された時に贈与契約は効力を生じ、その時点で課税されるべき所得となると考えられる。
所得区分に関しては、多くの場合は法人からの贈与として一時所得となるが、業務に関連して取得したポイントについては事業所得等に、役務提供の対価として獲得したポイントについては雑所得となる。その結果、所得区分の異なるポイントが合算された後に使用された時、どの所得区分のポイントが使われたかを決定してそれに応じて申告をするというのは困難な場合も多いであろうと思われる。
それでも、一時所得については、一時所得の特別控除額によって、ほとんどの納税者は申告する必要は生じないであろう。そのため、事業所得等となる場合のポイントの記帳方法が定着すれば、実務上の困難の多くは解消すると思われる。

 法定調書にもポイント関係の支払調書は存在しない

法定調書とは、「所得税法」「相続税法」「租税特別措置法」などの規定により法人や個人事業者が税務署に提出することを義務づけられている資料です。

法定調書は60種類あり、例えば誰にいくら給料を払ったのか(源泉徴収票)、事務所の家賃を誰にいくら払ったのか(不動産の使用料等の支払調書)、生命保険をいくら支払ったのか(生命保険契約等の一時金の支払調書)などがあります。

これらの法定調書は支払者が税務署に提出する書類です。
参考:No.7401 法定調書の種類|国税庁

法定調書の一覧

上記は法定調書の一部です。これらの中にポイント関係についての法定調書はありません。つまり税務署が現時点では捕捉しないものになっているということです。

まとめ

ポイントについては、利益とみなされるものの現時点では課税される可能性は低いように思います。

課税されたとしても多くの人は「一時所得」となるので、ポイントを大量に獲得したとしても1年間に50万ポイント以上使用しなければ、一時所得の特別控除の範囲内に収まります。

今後、ビットコインなどの仮想通貨であったようにポイント長者などが大量に出てきたりすると早急に税法が整備され課税・申告が必要となる時期がやってくるかもしれません。