(2019年8月加筆・修正)
米国高配当株式ETFであるHDVの概要や株価・過去の分配金の状況を解説します。
HDVの概要、経費率、配当利回りなど
名称は、iシェアーズ・コア 米国高配当株ETFです。ブラックロック社が設定した配当水準が比較的高位の米国株式で構成される指数を目指したETFです。
ブラックロック社のFact sheetによるとHDVの目指しているところはこのように記載されています。
①米国の有名、優良企業の株式に投資します。
②財務状態が健全であり、配当金を支払っている企業の株式75銘柄に投資できます。
③インカム獲得を目指すために活用できます。
設定されたのが2011年と比較的歴史の浅いETFです。リーマンショックを経験していないETFのため、大きな暴落が訪れたときに株価がどのような推移になるのかが過去を見ても予想できない点が、少し不安ですね。
HDVの高い売買回転率は当指数が定めているリバランスと見直しにあります。モーニングスター配当フォーカス指数は年4回の構成銘柄の比率のリバランスと構成銘柄そのものの入れ替え等の見直しを年4回行うとされています。
四半期配当となっており、実際の配当月は3月・6月・9月・12月となっています。
概要から見える特徴はこのようなところでしょうか。
構成銘柄が75銘柄と比較的少なめ
高い売買回転率(同種のVYMは13%)
リーマンショック後に設定されたETF
HDVの株価の推移
(ブラックロック社 サイトより)
HDVの設定来の株価チャートになります。リーマンショック後に設定されているため大きな株価下落もなく右肩上がりのチャートになっています。
パフォーマンス的にどうなのか、ほかのETFと比較してみましょう。設定時期がそれぞれ違うため直近5年で比較してみます。
HDV 8.39%
VYM 9.53%
VTI 10.93%
直近5年のリターンは米国全体に投資するVTIにも劣後しており、同じ高配当ETFであるVYMにも劣後しています。HDVの特徴である少ない銘柄数、高い売買回転率が影響しているのでしょうか。
現時点でのパフォーマンスはこのようになっています。下記に記載してある通り、ヘルスケア・生活必需品セクターが多くを占めているため、リセッション期を経ることで本来のパフォーマンスが発揮されるのかもしれません。
HDVの上位構成銘柄はエネルギーセクター・生活必需品セクターが多め
2019年8月時点の組入れ上位銘柄は下記のようになっています。
(ブラックロック社 サイトより)
上位10銘柄のほとんどが配当貴族、配当王銘柄ですね。この上位銘柄を見ると増配が続くイメージを受けますね。あまり減配している印象は受けません。
売買回転率が50%を超えていることもあり、構成銘柄は頻繁に入れ替わっています。ここをどう考えるかですね。当指数の基準を満たさない銘柄は自分の意志に関わらず外されることになります。
時には自分では有望だと思っていた銘柄が外されることもあるでしょう。過去にはGEが入っていましたが、業績悪化による減配が発表される前に構成銘柄から外されました。
こういったときに個別銘柄で保有していると中々売却できず、株価が大きく下落するまで損切できない状態になってしまうこともあり得るので、私にとっては基準に則って入れ替えを行ってくれるETFはありがたく感じています。
HDVのセクター別比率は上位3セクターで過半数を占める
セクター別の構成比率はこのようになっています。
エネルギー・ヘルスケア・生活必需品の3セクターで60%を占めています。セクター分散という意味では、あまり分散がされておらず偏っているETFになります。同じ高配当ETFであるVYMよりも配当利回りが多い理由は、この部分にあるのかもしれませんね。VYMと比べ配当利回りが良い分、分散リスクを抱えているということでしょうか。
2019年2月にVYMの経費率が0.08%⇒0.06%に改定されました。経費率で見ても現時点ではVYMに軍配が上がりますね。
上位セクターであるエネルギー・ヘルスケアセクターなどの特徴は
(SBI証券サイトより)
セクターローテーションで言うと、エネルギーセクターは後期(後退期)、ヘルスケア・生活必需品・公益事業セクターはリセッション(不況期)に比較的強いとされています。
関連記事:セクターローテーションを意識しよう
エネルギーセクターがセクター別では1位となっていますが、ディフェンシブセクターと呼ばれるヘルスケア・生活必需品・公益事業セクターなどで40%以上を超える比率となるので、それなりに不況耐性もあると想像できます。
5年リターンはVYMに劣後している
上位3セクターで60%と偏りがある
ディフェンシブセクターが40%を占める
HDVは減配している
年間集計していますが、年4回配当です。2011年も配当回数は4回あるので、2011年が極端に配当金額が少ないのは配当回数のせいではありません。ETFが設定された2011年から8年で配当金の額は3倍になっています。
2018年に関しても、年間集計でみれば増配となっていますが、2018年12月の配当金は前年同月と比較しても減配となりました。2019年も減配傾向が続いています。
参考記事:【悲報】保有している主力ETFが軒並み減配したので分配金推移を確認する【VTI・VYM・HDV】
赤文字になっている2016年に減配がありました。ちょっと自分なりに調べてみたんですが、原因はよく分かりませんでした。高い売買回転率による銘柄入れ替えが影響しているのかもしれません。
2011年に設定されたETFなので、リーマンショックなどの大きな暴落にまだ遭遇していないし、その時どうなるんだろうという不安は、ありますよね。
というわけで、減配した時期があるHDVですが3%を超える配当利回りは、やっぱり魅力的なので今後も、偏りすぎない程度に買い増しはしていこうと思っています。
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