(2019年8月加筆・修正)
米国高配当ETFであるVYMの概要や株価・過去の分配金の状況を解説します。
VYMの概要、経費率、配当利回りなど
ファンド名はバンガード米国高配当株ETFですね。名前の通りバンガード社の取り扱っているETFです。
平均以上の配当を出す普通株で構成されるFTSEハイディビデンド・イールド指数に連動することを目的としたETFです。よくバンガード社のHDVと比べられることが多いですね。
※2019年2月26日付けで経費率が0.08%⇒0.06%に改定されました。
関連記事:【VYM・VT・VWOなど】バンガードETFが経費率改定を発表!
VYMとHDVの違いとしては、まず構成銘柄数VYMが約400銘柄に対して、HDVは約70銘柄です。VYMの方がより分散されています。
ほか、投資セクターもVYMは金融・一般消費財が多めに対しHDVはエネルギー・ヘルスケアの割合が多いなど同じ高配当株ETFでも、中身は違うものになっています。
配当月は年4回で、3月・6月・9月・12月となります。
経費率0.06%は高配当ETFの中では最安
HDVと比べ売買回転率が低い(HDVは50%以上)
400銘柄以上と十分すぎるほどの分散
VYMの株価推移
HDVと違いリーマンショック前から設定されているETFのため、当時の株価がどう推移したのかが分かります。
2007年10月に55.73ドルだった株価はその約1年半後の2009年3月には22.45ドルまで下落しました。50%以上下落したという事です。その後は右肩上がりの株価チャートを描いています。
VYMを保有している場合、この下落幅が一つの基準になってくるでしょう。大規模な金融危機が訪れたときは最悪VYMは半額になる可能性があります。長期投資としてVYMを保有する方は頭に入れておいた方がよいでしょう。
過去の株価の動きを知っていれば、暴落時の心構えもできるはずです。
VYMの上位構成銘柄は10銘柄で26.7%を占めている
組入上位銘柄
上位10銘柄で26.7%を占めています。マイクロソフトが一時期7%以上占めている時がありましたが、構成銘柄から外されました。このことにより、セクターの構成比率も以前と比べ変わっています。
ジョンソンエンドジョンソン・エクソンモービル・P&G・AT&Tなど米国の名だたる連続増配当銘柄が並んでいます。上位銘柄の顔ぶれを見る限りはVYMが今後も増配していくことが期待できます。
上位の銘柄の多くは米国だけでなく、世界的に展開している企業が多いです。長期的にVYMに投資をすることにより、世界的なビジネスの成長を享受できるETFだとも考えられます。
VYMの上位構成セクターは金融セクター・一般消費財セクター
セクター別構成は、マイクロソフトが構成銘柄に入っているときはテクノロジーセクターが1位でしたが、除外されたことにより4位まで下がっています。
セクター構成1位の占める割合が18.8%なので、HDVと比べるとセクター分散がされていることが分かりますね。
特定のセクターに偏ることなく、バランス良く分散されているため、市場の成長にも取り残されにくく、ある程度景気循環にも対応していけるETFです。
セクター構成1位の金融セクターは「拡張期」に強いとされるセクターです。詳しくは下記の記事を参照してください。
過去には50%以上下落している
上位10銘柄で30%未満と偏っていない
構成セクターもバランス良く分散されている
VYMは減配している
2009年に減配していますね。この年は、リーマンショックの影響があった年ですかね。減配額も半減とまではいかないもののかなり下がっていますね。
減配してから、2008年の配当金の水準を超えるまでに3年ほどかかっています。以降は順調に増配していますね。私は、リーマンショック時は投資をしていなかったのであまり分かりませんけど、その時の減配は仕方がないのかな、と思います。
ただ、VYMのそれ以降の増配状況を見ると、先日書いたHDVの減配はなんだったのかな、という疑問がわきますね。
私の場合、投資を始めた当初は高配当株ETFはHDV一本でいくつもりでしたが、途中で気が変わってVYMにも投資するようになりました。現在は、HDVとVYMを同じぐらいの比率で買い増ししていこうかなと思っています。
HDVとVYMどちらが優れているかについては、ともに何十年と歴史のある銘柄ではないので、決めることはできないと思います。あと何十年と経ったあとに分かることでしょう。ただ、銘柄数はもちろんのことセクターの分散度合いを考えると保有をしやすい方はVYMになってくると思います。
ETFへ投資をする人は、分散されている商品に投資することによって安心したい、という気持ちがある人も多いと思います。VYMは高配当ETFの中では安心して保有できるETFではないでしょうか。
VYMは幅広いセクターに分散されたETFで、米国の成長によるキャピタルゲインも狙え、かつ配当によるインカムゲインも期待できるバランスの取れたETFです。
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