サラリーマンの人にはあまり関係ありませんが、個人の方でも給与所得以外の所得(事業所得・不動産所得・雑所得・譲渡所得など)があると税務調査に入られることがあります。
先日、国税庁より税務調査についての発表があったので確認してみました。
年間で7万件を超える個人に対する税務調査がある
国税庁は毎年「所得税および消費税調査等の状況について」1事務年度の結果を発表しています。国税庁ホームページの「報道発表」から見ることが出来るようになっています。
平成29事務年度(29年7月~30年6月)の内容も発表されており、1年間でどれだけ税務調査の件数があり追徴課税がいくらあったのかも記載されています。中でも所得税にかかる税務調査についてはこのようになっていました。
「特別調査・一般調査」とは、高額または悪質な不正が見込まれる事案に対して行われる調査を言います。「着眼調査」とは、特定の事項などに申告漏れ等が見込まれる事案に対し、短期間で行う調査のことを言います。この2種類を合わせて「実地調査」と呼ばれています。一般的に税務署が訪問してくる税務調査とは「実地調査」のことを言います。
上記表には載せていませんが、ほかにも計算誤りや簡単な申告漏れについては、電話や税務署に来署してもらい対応する「簡易な接触」といった対応もあります。この「簡易な接触」も含めた所得税の調査の件数は622,637件でした。
29事務年度は72,953件の実地調査があり、調査の結果申告漏れが指摘された件数は60,338件でした。割合にすると82.7%となり税務調査に入られた場合、8割以上の人が申告漏れ等を指摘され、追徴税額を課税される結果となっています。
税務調査があれば高確率で追徴が発生する
税務調査に入られた時点で、多くの人は追徴課税が発生する状況になるということです。税務署が来た時点である程度アタリをつけられているということかもしれません。法人税と違い所得税の場合、その対象となる所得は多岐にわたります。事業に関わる事業所得・不動産所得、サラリーマンの給料等の給与所得、年金・保険収入などの雑所得、不動産や株式による譲渡所得などもあります。
事業に関わる所得税の調査がメインだと思われますが、そういった各所得の申告漏れもそれなりにありそうです。中でも譲渡所得の調査は24,000件ありました。不動産売却などで譲渡所得が発生した場合、登記簿謄本などで簡単にばれてしまうということでしょうか。
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どの業種が申告漏れが多いのか
発表の中で申告漏れ所得金額の多い上位10業種というものも発表されています。
29事務年度で1位となっているキャバクラは、直近の年分に係る申告漏れ割合が93.7%となっています。次いで風俗業89.7%、バーの71.7%となっており、現金商売の事業の申告漏れ所得が目立っています。特にこれらの事業は所得の隠蔽等の可能性が高く、国税庁から狙われやすい業種です。
3年分で見ると建設業の割合も高いようです。一口に建設業と言っても様々な業種がありますからね。28事務年度から上位に登場しているプログラマー、システムエンジニアはスマホゲーの関係でしょうか?
毎年、ちゃんと正確に申告していれば基本的に心配する必要はありませんが、それでも税務調査が来た場合は、高確率で所得漏れが発覚するというような数字となっています。
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