先日発表されたバンガードETFの経費率引き下げの影響により、同ETFを投資対象としている「楽天バンガードファンド」シリーズの運用管理費用の引き下げが発表されました。
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バランスファンド含め、6商品が引き下げ
対象となった投資信託は「楽天VT」「楽天VYM」「楽天VWO」、VTが組み入れられている「楽天・インデックス・バランス・ファンド」の3種類を合わせた6つの投資信託です。
(引用 楽天投資顧問)
引き下げ額については、バンガードが発表した経費率改定額がそのままスライドしている内容になっています。「楽天バンガードファンド」シリーズはバンガードETFにかかる経費率と別で運用管理費用として0.1296%(税込)を足したものが実質的に負担する費用となっています。
直接バンガードのETFへ投資した場合と比べると、別途0.1296%を負担する投資信託になっているということです。信託報酬の面だけで見るとETFへ直接投資した方がメリットに思えます。
しかし、ETFへと投資した場合は購入時に証券会社に買い付け手数料が発生するのに対し「楽天バンガードファンド」は購入時手数料は無料になっているため、投資方法によっては一概にどちらが得とは言い切れません。
ETFの場合は、受け取った配当金を手動で買い増しする必要が出てくるのでその都度、手数料を支払う必要が出てきます。投資信託の場合は自動で再投資されていくため手間もかかりませんし、手数料もかかりません。
どちらにメリットを感じるか、ということになります。
投資信託には見えない隠れているコストがある
投資信託には、表記されている信託報酬とは別で「隠れコスト」と言われる費用が発生します。その両方を合わせてかかってくる費用が「実質コスト」とされています。楽天VTの直近の費用明細はこのようになっています。1期目のため期間が約10ヶ月程度となっています。
上記の通り、投資信託には信託報酬以外にも「売買委託手数料」「有価証券取引税」「その他費用」という経費が発生します。これらのコストは1年間の運用が終わった後に発表される運用報告書を見ないと確認ができません。後からしか分からないということです。
なぜかというと、それらのコストは運用中に発生する費用だからです。相場が不安定で銘柄入れ替えが頻繁に行われると「売買委託手数料」や「有価証券取引税」が増加します。反対に銘柄入れ替え等がほとんどなければ少ないコストで済みます。
というようにファンドが運用した結果、発生するコストのためこれらの「隠れコスト」は年度によって変動する費用となります。ちなみに今回引き下げのあった「楽天バンガードファンド」の1期目の実質コストはこのようになっています。
「実質コスト」で比較するとバンガードETFに直接投資した時との差が大きくなっていることが分かります。「隠れコスト」の影響で目論見書に記載されている運用管理費用の倍近く費用がかかってしまっています。信託報酬が0.1296%でない理由は1期目で1年間の集計ではないためです。
私はETFに投資している
ちなみに私はバンガードETFへ直接投資しています。理由はいろいろありますが、その内のひとつは配当金を一度手にしておきたいからです。税金分は損をしてしまいますけどね。受けとった配当金を再投資に使うのか、現金比率を上げるために残すのか、プライベートな支出に使うのか、という選択肢を選べるようにしたいからです。
投資信託にするのか、ETFや個別銘柄に投資するのかは人それぞれなので、自分にあった投資方法を早く見つけることが大事だと思います。
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